硬骨魚綱 osteichthyes
硬骨魚綱は、脊索動物の中で脳を頭蓋が包む有頭動物の内、顎の構造を備えた骨格が硬骨性の動物群という位置付けになる。古典的には硬骨魚類は“魚類”の一群で、脊椎動物の中の鰓(えら)呼吸を行い鰭(ひれ)で水中を生活を行う、四肢動物を除いた残りのグループとされ、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類等と同列に扱われて来た。しかし進化系統上は四肢動物は硬骨魚類から派生したグループであり、肉鰭亜綱(にくきあこう)の系統に属する。四肢動物の四肢は胸鰭と腹鰭、肺は浮袋に起源を持ち、発生の一時期に鰓を形成する。従って四肢動物の両生綱、爬虫綱、鳥綱、哺乳綱は“亜綱”より下位の“下綱”の階級に置く必要が出てくるが、多くの場合伝統的な認識を顧慮して、そのように扱われることは少ない。
初期の硬骨魚類はシルル紀後期(約4.27〜4.16億年前)にはその痕跡が見られ、約4億年前のデボン期には四肢動物の祖先でシーラカンスや肺魚の系統に繋がる肉鰭亜綱が繁栄し、デボン紀中期には鰭条と鰭膜から成る運動性の高い鰭を備えた条鰭亜綱(じょうきあこう)が多様化した。現生の肉鰭亜綱は四肢動物を含む一系統と見做す場合約36400種、条鰭亜綱は約32500種となる。
分類
- 生物図鑑
- 動物界 animalia
- 脊索動物門 chordata
- 硬骨魚綱 osteichthyes
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硬骨魚綱に含まれる種
現在15種掲載
参考文献
- 岩槻邦夫・馬渡俊介 監修 『脊椎動物の多様性と系統』 裳華房 2006年9月25日
- 巌佐庸・倉谷滋・斎藤成也・塚谷雄一編 『岩波生物学辞典 第5班』 岩波書店 2013年
- 矢部衛・桑村哲生・都木靖彰 編 『魚類学』 恒星社恒星閣 2020年8月20日 第3刷
- Catalogue of Life