キタリス
基礎情報 | |
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学名 | Sciurus vulgaris |
英名 / 漢字 | Eurasian red squirrel / 北栗鼠 |
大きさ | 頭胴長22~27cm |
分布・時期 | 国内では北海道で一年中 |
生息環境 | 平地から亜高山帯までの森林 |
食物 | 雑食で植物の種子、キノコなどの菌類、昆虫など |
特徴・形態
頭胴長22〜27cm、尾長16〜20cm、体重300〜400g。背面は夏毛が赤褐色、冬毛は灰褐色、腹面は白色の体毛で覆われる。冬毛が長くなり、特に耳の毛が長く伸びて目立つようになる。
分布・観察時期・生息環境
ユーラシア北部の広域に分布し、日本国内では北海道固有の亜種エゾリス S.v.orientis が分布する他、海外産の飼育個体が流出した亜種が本州で確認される。
平地〜亜高山帯の森林に生息。主に樹上で活動し、採食・移動の際に地上に降りる。
生態
昼行性で単独行動し、植物の芽、花、種子、果実、キノコなどの菌類、昆虫などを採食する。
冬眠は行わず、秋にクルミやドングリなどを地中に埋めて貯蔵するが、食べられずに残ったものが発芽するなど、森林の育成に関係することがある。
樹洞や樹上に小枝や樹皮を集めて球状の巣を作り、春から秋にかけて年1〜2回、1〜7頭の子を産み、子は2ヶ月程度で巣立つ。
人との関わり
北海道では札幌、旭川、帯広の市街地の公園で姿を見ることもでき、観光の一要素として親しまれている。
特定外来生物
飼育や繁殖が比較的容易で、日本ではかつて海外産のものがペットとして流通したことがあり、放棄逸出したと見られるものが野生化した。本州以南では埼玉県の狭山丘陵で確認され、ニホンリスと生息空間を競合している。
参考文献
- 久保敬親 『ヤマケイポケットガイド24 日本野生動物』 山と渓谷社 2005年12月20日 初版第3刷
- 多紀保彦 監修 財団法人自然環境研究センター 編著 『日本の外来生物』 平凡社 2009年6月1日 初版第2刷
- 小宮輝之 『くらべてわかる哺乳類』 山と渓谷社 2016年4月15日
- 久保敬親 写真 小宮輝之 解説 『日本哺乳類図譜』 山と渓谷社 2022年8月15日 初版第1刷
- 特定外来生物の解説:キタリス [外来生物法] 日本の外来種対策 環境省