哺乳綱 mammalia
爬虫類を初めとする卵が羊膜を獲得した有羊膜類は、頭骨の眼窩の後ろ側に側頭窓(そくとうそう)と呼ばれる空隙のパターンで大きく3つのグループに分類されるが、側頭窓を持たない無弓類(むきゅうるい)は両生類から派生した原始的なグループで、そこから分化した単弓類は一つの側頭窓を持ち、約3億1500万年前の石炭期後期に出現した。哺乳類の起源はこの単弓類に由来し、その後出現する2つの側頭窓を持つ双弓類は現在の爬虫類に繋がる系統で、この時点で分岐している。
哺乳類は概して産子数は少ないが、多くの種は胎生を高度に発達させており、哺乳類という名前が示す通り汗腺が変形したものと考えられる乳腺が発達し、授乳によって幼体を生育させるという他の系統には見られない独特の生理機構とそこから派生する行動様式を構築している。
哺乳類の進化は実に多様であり、最小のキテイブタバナコウモリは、全長29mm、体重1.7gで、最大のシロナガスクジラは全長30m、体重190tというものである。活動域は垂直的水平的にも陸海空のあらゆる場所で繁栄しており、現生29目、161科、約6000種を構成する。日本では120種程度が観察される。
分類
- 生物図鑑
- 動物界 animalia
- 脊索動物門 chordata
- 哺乳綱 mammalia
哺乳綱に含まれる掲載中の分類群
哺乳綱に含まれる種
現在6種掲載
参考文献
- 本川雅治・下稲葉さやか・鈴木聡 日本産哺乳類の最近の分類体系 2006年 J-STAGE
- 岩槻邦夫・馬渡俊介 監修 『脊椎動物の多様性と系統』 裳華房 2006年9月25日
- 小宮輝之 『くらべてわかる哺乳類』 山と渓谷社 2016年4月15日
- 金子之史 著 高槻成紀・粕谷俊雄 編 『哺乳類の生物学 新装版 1 分類 』 東京大学出版会 2020年1月15日 新装版第1刷
- Catalogue of Life