エナガ
基礎情報 | |
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学名 | Aegithalos caudatus |
大きさ | 全長14cm、翼開長16cm |
分布・時期 | 北海道〜九州で留鳥または漂鳥。一年中 |
生息環境 | 平地から山地の林、樹木の多い公園など |
食物 | 小さな昆虫やクモ、木の実や樹液など |
特徴・形態
雌雄同色。大きさはメジロとほぼ同じくらいで、尾が非常に長く嘴は短い。額、頭頂から後頸にかけて白く、黒い過眼線が背までかかる。背は中央が黒く、左右の肩羽が淡いブドウ色。喉から腹部中央までの前面は白く、下腹部から下尾筒までは淡いブドウ色。翼と尾羽は黒いが、次列風切と三列風切の外縁と尾羽の外側3対の外弁は白い。嘴と脚は黒い。幼鳥は成長に比べ全体に淡色。
北海道の亜種シマエナガは黒い過眼線がなく、頭部が白く全体に淡色。他の3亜種は差異は少ない。
分布・観察時期・生息環境
ユーラシア大陸の亜寒帯、温帯に分布。日本では留鳥または漂鳥として、北海道から九州の平地から山地の林、樹木の多い公園などに生息。住宅地にも現れ、目にする機会は多い。
国内では4亜種に分けられ、本項の亜種エナガ A.c.trivirgatusは北海道から九州まで、亜種シマエナガ A.c.japonicusは北海道、亜種チョウセンエナガA.c.magnusは対馬、亜種キュウシュウエナガ A.c.kiusiuensisは四国と九州にそれぞれ分布する。
生態
細い枝先で様々な姿勢でバランスを取ったり、逆さにつり下がったり、時には空中でホバリングをしながらアブラムシなどの小さな昆虫やクモを食べる。また樹液をなめたり、冬場は熟したカキなどの木の実も好んで食べる。
繁殖は2〜6月の間に行われ、つがいで縄張りを持つ。営巣は独特で、枯れ枝などをコケ類やクモの糸、ガの繭など織り込んで袋状の樹皮に似た外装を作り、内装には大量の羽毛を運び込む。雌は一回の繁殖で7〜13個の卵を産み、13〜15日ほどで孵化。雛は14〜17日ほどで巣立つ。つがいの形成や繁殖に失敗した個体は、ヘルパーとして他のつがいの育雛に参加する事がある。繁殖期が過ぎると一定の圏内で、数羽から数十羽程度の群れで行動する。冬期はシジュウカラ、ヤマガラ、コガラなどと混群になることが多い。
参考文献
- 樋口広芳他 『日本動物大百科(4)鳥類Ⅱ』 平凡社 1997年
- 森岡弘之 編集 宇田川龍男 原著 『原色新鳥類検索図鑑』 北隆館 2003年 新版
- 真木広造 『名前がわかる野鳥大図鑑』 永岡書店 2012年
- 中川雄三 監修 『ひと目でわかる野鳥』 成美堂出版 2012年
- 真木広造他 『日本の野鳥650』平凡社 2014年
- 叶内拓也他 『新版 日本の野鳥』 山と渓谷社 2014年