生物図鑑

カマツカ種群

  • カマツカ種群
    撮影:三重県熊野市 2013年8月3日
  • カマツカ種群
    撮影:三重県熊野市 2013年8月3日
  • カマツカ種群
    撮影:三重県熊野市 2013年9月13日
  • カマツカ種群
    撮影:三重県熊野市 2013年8月3日
  • カマツカ種群
    撮影:三重県熊野市 2013年9月13日
  • カマツカ種群
    撮影:三重県熊野市 2013年9月13日
  • カマツカ1
    三重県熊野市 2013年8月3日
  • カマツカ2
    三重県熊野市 2013年8月3日
  • カマツカ3
    三重県熊野市 2013年9月13日
  • カマツカ4
    三重県熊野市 2013年8月3日
  • カマツカ5
    三重県熊野市 2013年9月13日
  • カマツカ6
    三重県熊野市 2013年9月13日
基礎情報
学名Pseudogobio sp.
大きさ全長12〜25cm
分布・時期国内3種で、岩手県以南の本州、四国、九州全域
生息環境清流、湖沼、河川中〜下流域の砂礫底、砂泥底、農業水路等
食物水生昆虫の幼虫などの底生生物の他、岩に付着する藻類等
別名 / 地方名スナホリ(各地)、スナムグリ(東京 / 長野)、カワギス(関西 / 九州)、スナフキ(兵庫)

特徴・形態

全長12〜25cmで紡錘形。吻が長く口は下方向、唇に多数の柔らかな突起があり、1対の口髭を持つ。眼から口にかけて斜め方向の暗色帯、背面から体側までの広範囲の不明瞭な暗色の円斑と、直線上にに連なる長細い白色の小斑とが鰓の後部から尾部まで続く。

分布・生息環境

日本に分布するカマツカ属は長らく1種とされてきたが、2019年の論文では遺伝的に異なる2種が新たに確認された。

カマツカ Pseudogobio esocinus
静岡県、富山県以西の本州、四国瀬戸内側、九州等。琵琶湖産アユの放流に伴い東日本、四国南部、紀伊半島南部でも確認されている。
ナガレカマツカ Pseudogobio agathonectris
山口県以東の瀬戸内側〜紀伊半島南部を除く静岡県までの太平洋側でカマツカと同所的に分布。
スナゴカマツカ Pseudogobio polystictus
日本海側は富山県から山形県、太平洋岸は静岡県から岩手県まで東日本に分布。

分布が重なる地域では種間交雑も確認されている。
大陸のカマツカと同種とされてきた集団については遺伝的に複数の集団に別れる事が明らかにされ、別種とされる考えがある。
生息環境は清流、湖沼、河川中〜下流域の砂礫底、砂泥底、農業水路等。

生態

雑食性で主食は水生昆虫の幼虫等の底生生物の他、岩に付着する藻類等。胸鰭で川底の砂をかき分け、長く伸びた吻を使い餌を探る。通常遊泳することはなく、川底に定着しよく砂中に潜む。本種の体色や斑紋は環境中において保護色として機能している。
性成熟は体長9cm以上、繁殖期は4〜7月で、夜間につがいで産卵する。産卵後の卵は河川の様々な場所に流下し付着する。

人との関わり

まとまった量が漁獲されず、刺網漁においても身が崩れやすいことなどから一般には流通しないが、各地の内陸部では煮付けや塩焼き等で常食されてきた事もある。

参考文献

  • 松沢陽士 『川魚の飼育と最終を楽しむための本 電子版』 学研プラス 2016年4月 version1.0
  • 豊田直之他 『新版 写真でわかる釣り魚カラー図鑑』 西東社 2016年4月5日 第1版
  • 斉藤憲治 内山りゅう 『くらべてわかる淡水魚』 山と溪谷社 2017年2月24日
  • 小西秀人 『写真探索・釣魚1400種図鑑』 株式会社KADOKAWA 2019年6月30日
  • 細谷和海 編・監修、内山りゅう 写真、他 『増補改訂 日本の淡水魚』 山と溪谷社 2019年10月20日
  • 中坊徹次 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』 小学館 2022年 第6刷
  • 中島 淳 福岡県保健環境研究所 カマツカの産卵・初期生態に関する一知見 2015年 J-STAGE
  • 高等部教諭が淡水魚「カマツカ」の新種を2種発見 関西学院大学
  • カマツカ類の見分け方 富永浩史のウェブサイト

この記事のフリー素材