生物図鑑

カワハギ

  • カワハギ
    撮影:和歌山県東牟婁郡 2103年9月12日
  • カワハギ
    撮影:和歌山県東牟婁郡 2103年9月12日
  • カワハギ
    撮影:和歌山県東牟婁郡 2103年9月12日
  • カワハギ
    撮影:和歌山県東牟婁郡 2103年9月12日
  • カワハギ
    撮影:京都府与謝郡 2103年9月9日
  • カワハギ
    撮影:京都府与謝郡 2103年9月9日
  • カワハギ1
    和歌山県東牟婁郡 2103年9月12日
  • カワハギ2
    和歌山県東牟婁郡 2103年9月12日
  • カワハギ3
    和歌山県東牟婁郡 2103年9月12日
  • カワハギ4
    和歌山県東牟婁郡 2103年9月12日
  • カワハギ5
    京都府与謝郡 2103年9月9日
  • カワハギ6
    京都府与謝郡 2103年9月9日
基礎情報
学名Stephanolepis cirrhifer
大きさ全長20〜30cm
分布・時期青森県〜九州南岸の日本海・太平洋・東シナ海沿岸、伊豆諸島北部、瀬戸内海沿岸
生息環境水深100m以浅の岩礁、砂底に生息
食物小型の甲殻類、ゴカイ、貝類等
別名 / 地方名ゲンバ(千葉)、スブタ(愛知)、ハゲ(関西)、ギシロハゲ(和歌山)、メンボ / カクメンボ(山口)、キュウロッポ(長崎)、ツノコ(鹿児島)、バクチウチ(各地)

特徴・形態

通常全長20〜30cm程でそれ以上の記録は希。全体が菱形状の側扁型。第1背鰭は2棘で第1棘が大きく、第2棘は埋没。雄は第2背鰭の軟条前部が糸状に伸びる。表皮は鱗と一体化してザラザラしている。
全体の色は灰褐色〜暗褐色で白色の小斑が点在し、眼から口方向の斜め下方に暗色の縦斑がに複数通り、体側は胸鰭から尾鰭にかけた面全体に暗色の縦斑が断続的に通るが、これらは心理状態により濃淡が変化する。個体による色彩変異も多い。

分布・生息環境

国内は青森県〜九州南岸の日本海・太平洋・東シナ海沿岸、伊豆諸島北部、瀬戸内海沿岸。国外は朝鮮半島南岸、済州島、遼寧省〜香港の中国沿岸、台湾、フィリピン北部等に分布。水深100m以浅の岩礁、砂底に生息する。

生態

小型の甲殻類、ゴカイ、貝類等、砂底で直立定位の姿勢になり、口から吹き出す水流で砂を掘り起こして餌を探し出し、摂食する。
産卵期は5〜8月で、雄が砂底に縄張りを形成し繁殖行動を行う。卵は約3万個産卵され、受精後約3日で孵化し、1年で10cm程度に成長する。

人との関わり

釣り・養殖

釣りにおいて引きの強さと食味から非常に人気があり、アサリのむき身を餌とした船釣りや防波堤狙いが一般的。餌盗りが巧みな魚で、難易度が高い反面カワハギ釣りに熱中する釣り人は多い。カワハギは成長が早く安定した需要があり、高値で取引される。養殖は西日本中心。

料理

調理の際に簡単に皮を剥ぐ事ができるため、「皮剥ぎ」という名前になった由来がある。
白身魚として料理のバリエーションは多く、刺身、寿司、煮付け、石焼き、唐揚げ、天ぷら、味噌汁、ちり鍋などで好まれる。
旬は夏期と冬期で、特に冬期の肝はアンコウ以上の絶品とされ、刺身の「肝醤油」、寿司の「カワハギの握り肝のせ」等が名高い。

参考文献

  • 野村祐三 『地魚大全』 東京書籍 2009年5月1日 第1刷
  • 藤原昌高 『からだにおいしい魚の便利帳』 高橋書店 2010年12月30日
  • 豊田直之他 『新版 写真でわかる釣り魚カラー図鑑』 西東社 2016年
  • 藪内知利 『おいしいお魚百科』 ぴあ株式会社 2018年
  • 吉野雄輔 『改訂版 日本の海水魚』 山と渓谷社 2018年
  • 小西秀人 『写真探索・釣魚1400種図鑑』 株式会社KADOKAWA 2019年
  • 中坊徹次 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』 小学館 2022年4月9日 第6刷

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