観察ノート

撮影についてのあれこれ

前回は1回目ということで少し固い内容になったかも知れません。立ち上げてから1週間以上経ちましたが、いくつかの修正箇所に手を焼いているのと、これからこのサイトをどういうものにしていくかについて考えているところです。

チョウチョウウオ

全てに関して何も知識も技術もないところからスタートしたわけで、今でも写真撮影に関して何も知らない状態が続いています。これまでどうやって撮影していたかというと、当然生物のことを何も知らないので、まずはカメラを持って、何かがいそうなところに行ってみるという具合でした。

初めて撮影に使用したカメラはRICHOのCX4というもので、検索ではマクロ撮影(接写)に定評があるという話でしたが、期待通り昆虫や小さな花の撮影で活躍してくれました。しかしある程度撮れるものを取ってしまうと頭打ちになってしまいます。昆虫や植物は季節に縛られるので、秋からはどうしても苦しくなります。時には餌取りに夢中で警戒心の薄れたサギなども撮影しましたが、全てがそうも行かず、望遠が効かなければ小さな鳥などは手が出せなくなりました。

もう少し手を広げたいということで、次に購入したのが水中撮影が可能なカメラです。ある時まで一般人が水中で写真を取られるなんて知りもしなかったので、大変興奮して出かけたのですが、何と最初の撮影地で大破してしまうことになります(泣)。

興奮したのがいけなかったのかどうか、カメラの内部に水が浸入してしまうという不始末。きちんとロックをしたつもりではいましたが、詳しい原因は分からず、旅先で撮影旅行をあきらめるわけにもいかず、落ち込む暇もなく、次の撮影地に行くまでに購入したのがOLYMPUSのTG-620という機種です。
幸いなことに次の撮影地では水の透明度が高く、天気もよかったので詳しい撮影法など分からずとも、連射を効かせてバシャバシャ撮りまくりました。
水中では常に自分自身が波に揺られつつ、すぐに身体が浮かんでしまうという難点と、被写体の魚達も泳ぎ回っているので、シャッターチャンスを掴みづらく、連射に頼りたくなります。なので1日4000枚撮ってもマシな写真は数十枚だけということも…。今ギャラリーの方に掲載されているものがそれらになります。
しかしこれも夏限定。冬でもスキューバをやる高性能のカメラを持った通の人ならともかく、水深5mまでのカメラでスキューバ経験もない私のような素人ではそうもいきません。できれば今後、自分が潜らず冬でも水中撮影可能な体勢を整えたいものだな〜と思っています。

そして現在主に使っているカメラ。これが光学50倍、焦点距離1200mmの望遠撮影可能なCANNONのSX50HSというやつです。といっても光学とか焦点距離とか今でも何のことかさっぱりなのですが、とにかく望遠できます!

そして、素人でもすぐに逃げる小鳥が撮影できる!!

これは素直に嬉しかったです。ただでさえコンテンツが少ないですが、被写体の幅が広がり、なんとかリリースしてもいいかなという形になったのはこのカメラのおかげだと思います。

とは言ってもほとんど鳥類のスズメ目のそれもごく一部の写真集になってしまいました。今後の撮影で一つ重い課題となるのは哺乳類の撮影です。
食物連鎖上で上位になる動物はまず数が少ないということ、そして哺乳類は夜行性が多く昼間はなかなか現れません。都会に住んでいてはなかなか出会うチャンスがありません。そして出会ったとしても夜間ではカメラ一つ持っていただけではいい写真になりにくく、また大型の動物になるとフラッシュを焚いたりすると、驚かせて危険かもしれません。

しかしそれ以上に身近で最重要の課題が実はあります。
生物の図鑑を名乗っておきながら植物と菌類の写真がかなり少ないのです。
植物の撮影で難しいと感じたことは、一つには季節に縛られること。ある季節の一番いい時期に行かないと葉や花がもう萎れているということが少なくありません。また時間帯にも左右され、朝は花が開いていても昼には閉じてしまっている。私のような寝坊助にはたまったものじゃありません。
またもう一つ、これは自分自身をひどく悩ませたのですが、植物は被写体の何を写真の中心に据えて良いのか分かりづらいということがあります。

花だけを写すということがテーマであれば悩みは少ないのですが、図鑑ということになると、それがどの種なのかすぐに特定できるための部分を写しておく必要もあります。部分も重要ですし、全体として、一枚の絵として見てもらえる形にもしようということを考えると、植物は樹木も野草も非常に変化に富んだ複雑なもののように感じられます。結果何をどう撮っていいのか分からないという状態に陥ることがよくありました。

植物の写真を撮る難しさには本当に悩まされます。

その点動物はわかりやすく、「個体」として完成された形がそこにあるので、自ずからそれが写真の中心になるわけです。しかし植物は個体が曖昧なことが多い場合や、分かりやすい場合でも密集していたり、樹木のように巨大なものは独立していても周囲と切り離して撮影するのが困難な場合があります。
では菌類の場合はというと、これに関しては植物以上に私自身何もしらないということもありますが、個体かどうかということに関しては植物以上に複雑な事情を持ちながらも、一つのまとまりとしては捉えやすい。しかし、幼菌・成菌でかなり形が変わってくることや、撮影できる時期は生育する時期にも左右されやすいということもありそうです。

こんな風にこれまでは行き当たりばったり、無計画かつ無造作に撮影してきました。しかしこれからはある程度狙いを定めて、撮るべきものの知識を持った上で出かけなくてはというところです。

そのような感じ、そのような事情でこれからの撮影には知識と技術が求められそうです。