生物図鑑

ウグイ

  • ウグイ
    撮影:三重県熊野市 2013年9月13日
  • ウグイ
    撮影:三重県熊野市 2013年9月13日
  • ウグイ
    撮影:三重県熊野市 2013年9月13日
  • ウグイ
    撮影:三重県熊野市 2013年9月13日
  • ウグイ
    撮影:三重県熊野市 2013年9月13日
  • ウグイ
    撮影:三重県熊野市 2013年9月13日
  • ウグイ1
    三重県熊野市 2013年9月13日
  • ウグイ2
    三重県熊野市 2013年9月13日
  • ウグイ3
    三重県熊野市 2013年9月13日
  • ウグイ4
    三重県熊野市 2013年9月13日
  • ウグイ5
    三重県熊野市 2013年9月13日
  • ウグイ6
    三重県熊野市 2013年9月13日
基礎情報
学名Tribolodon hakonensis
大きさ全長20〜30、最大50cm
分布・時期南西諸島、東京都島嶼部を除く全国
生息環境湖沼、河川上〜下流域、河口の汽水域までの広い範囲
食物雑食性で、水生昆虫などの底生生物や小魚、岩の付着藻類等
別名 / 地方名アカハラ(北海道)、クキ(群馬)、ハヤ(関東)イダ(四国 / 九州)

特徴・形態

全長20〜30cmで大型のものは50cmに及ぶ。紡錘形で背鰭と尻鰭の基点が上下でほぼ揃う配置。背面から体側上面が灰褐色、体側下面から腹面まで銀白色。春から夏にかけて婚姻色となり、体側に3本の朱色の縦帯と追星が現れる。

分布・生息環境

国内は南西諸島、東京都島嶼部を除く全国、海外は日本海周縁部に分布。
湖沼、河川上〜下流域、河口の汽水域までの広い範囲に生息。生活史には陸封型と降海型の2つのタイプがある。

生態

ウグイの適応力には特筆すべきものがあり、秋田県田沢湖、青森県宇曽利湖、北海道屈斜路湖などのPH3〜4の強酸性環境での生息が確認される他、淡水から汽水〜海水まで広い生活圏に適応している。しかし酸欠には比較的弱いため、酸素が十分溶け込んだ水流のある河川が主な生息域となる。
またコイ科では本種にのみ生活史に陸封型と降海型の二型があり、陸封型は湖沼、河川で生活サイクルが完結するのに対して、降海型は稚魚の時期に海に下り成長後に遡上するというサイクルを持つ。北方に分布するものほど降海型の比率が高い。
雑食性で、水生昆虫などの底生生物や小魚、岩の付着藻類など幅広い。繁殖期は2〜7月で、砂礫底で集団になり産卵する。

人との関わり

釣りでは人の残飯や水生昆虫、疑似餌など多くの餌で釣ることができ、食いつきが良いため外道として扱われる事が多いが、東日本では人気がある。
水質の悪い環境でも生息できる事や、鮮度の落ちやすさ、小骨の多さから食材として評価されないことも多いが、適切な下処理を行い調理法を選ぶ事で良好な食味を引き出すことができる。
長野県や栃木県などの内陸では水産資源として重要で、郷土料理としてウグイを提供することもある。
寄生虫や細菌の宿主の可能性があるため生食は避け、塩焼き、煮付け、唐揚げ、天ぷらなどが好まれる。食べ頃は冬期〜初夏の産卵期まで。

参考文献

  • 松沢陽士 『川魚の飼育と最終を楽しむための本 電子版』 学研プラス 2016年4月 version1.0
  • 豊田直之他 『新版 写真でわかる釣り魚カラー図鑑』 西東社 2016年4月5日 第1版
  • 斉藤憲治 内山りゅう 『くらべてわかる淡水魚』 山と溪谷社 2017年2月24日
  • 小西秀人 『写真探索・釣魚1400種図鑑』 株式会社KADOKAWA 2019年6月30日
  • 細谷和海 編・監修、内山りゅう 写真、他 『増補改訂 日本の淡水魚』 山と溪谷社 2019年10月20日
  • 中坊徹次 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』 小学館 2022年 第6刷
  • 石崎大介、淀太我、吉岡基 三重大学大学院生物資源学研究科 三重県鴨川におけるウグイの降海時期と降海時の体長 2010年6月22日 J-STAGE
  • 日本ウグイ協会

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