ツバメ
基礎情報 | |
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学名 | Hirundo rustica |
大きさ | 全長17cm、翼開長32cm |
分布・時期 | 北海道南部から種子島までの夏鳥 3〜10月 |
生息環境 | 平地から山地の農耕地、草地、河川、湖沼などの開けた場所 営巣は建築物を利用 |
食物 | 飛翔する昆虫など |
特徴・形態
雌雄同色。頭頂から背まで黒く、藍色の光沢がある。額、腮から喉は赤褐色。胸の上部は黒く、帯のように背まで伸びる瓣。その直下の胸から下尾筒までは白い。翼と尾羽は黒く、尾羽の内弁には白斑が一つずつあり、飛翔時に横並びとなり目立つ。また、燕尾形の尾羽の最外側の2対は長く尖っている。これは雄の方が雌よりも長い。幼鳥は成鳥に比べ尾は短く、全体に淡色で嘴の会合線は黄色い。
分布・観察時期・生息環境
ユーラシア大陸と北アメリカの広域で繁殖し、冬期はアフリカとアジアの南部、東南アジア、オーストラリア北部、南アメリカの北部へ渡る。日本では夏鳥として北海道南部から種子島までで繁殖。平地から山地の農耕地、草地、河川、湖沼などの開けた場所で餌を取り、市街地で営巣する。
亜種は夏鳥として渡来する亜種ツバメ H.r.gutturalis と、中国東北部、極東ロシアで繁殖し冬鳥として少数渡来する亜種アカハラツバメ H.r.saturata に分けられる。亜種アカハラツバメは胸以下の下面が淡い赤褐色を帯びているが、亜種ツバメにも同じ特徴を持つ個体も見られ、亜種の特定は困難。関東以西で越冬が確認されている個体群がいるが、それがどの亜種かははっきりしていない。
生態
開けた場所で低空飛翔しながら、空中で飛んでいる昆虫を捕らえて食べる。早いものは3月には日本に渡来し、繁殖を開始する。主に人家の軒下や屋根のある建築物を利用して、枯れ草や泥を集めて営巣する。通常年2回繁殖し、一回の繁殖で4〜6個の卵をむ。抱卵期間は2週間。雛は20日前後で巣立ち、巣立ち後もしばらくは同一の家族で集まって生活する。繁殖が終わり秋の渡りの時期が近づくと、河川の葦原に集まり数千羽から数万羽にもなる大きな集団ねぐらを形成する。
参考文献
- 樋口広芳他 『日本動物大百科(4)鳥類Ⅱ』 平凡社 1997年
- 森岡弘之 編集 宇田川龍男 原著 『原色新鳥類検索図鑑』 北隆館 2003年 新版
- 真木広造 『名前がわかる野鳥大図鑑』 永岡書店 2012年
- 中川雄三 監修 『ひと目でわかる野鳥』 成美堂出版 2012年
- 真木広造他 『日本の野鳥650』 平凡社 2014年
- 叶内拓也他 『新版 日本の野鳥』 山と渓谷社 2014年