生物図鑑

ニホンアマガエル

  • ニホンアマガエル
    撮影:三重県熊野市 2012年8月10日
  • ニホンアマガエル
    撮影:三重県熊野市 2012年8月10日
  • ニホンアマガエル
    撮影:三重県熊野市 2012年8月10日
  • ニホンアマガエル
    撮影:三重県熊野市 2012年8月10日
  • ニホンアマガエル
    撮影:三重県熊野市 2012年8月10日
  • ニホンアマガエル
    撮影:三重県熊野市 2013年8月2日
  • ニホンアマガエル1
    三重県熊野市 2012年8月10日
  • ニホンアマガエル2
    三重県熊野市 2012年8月10日
  • ニホンアマガエル3
    三重県熊野市 2012年8月10日
  • ニホンアマガエル4
    三重県熊野市 2012年8月10日
  • ニホンアマガエル5
    三重県熊野市 2012年8月10日
  • ニホンアマガエル6
    三重県熊野市 2013年8月2日
基礎情報
学名Dryophytes japonica
英名 / 漢字Japanese tree frog / 日本雨蛙
大きさ頭胴長:雄22〜43mm、雌26〜50mm
分布・時期屋久島までを南限とする日本広域に分布
生息環境山地から海岸付近までの広い範囲の草原、市街地の緑地

特徴・形態

頭胴長:雄22〜43mm、雌26〜50mm。腹面は白黄色、背面は全体が黄緑色で暗緑色〜黒褐色の形状の不規則な模様が現れる個体もいる。ただし本種は後述のように周囲の環境に合わせて体色を変化させることが可能で、褐色〜灰色など様々な姿を観察できる。
口先は吻が尖っておらず、側頭部は鼻先から眼の前端、鼓膜の後ろ側まで黒褐色の帯状の模様が通り、モリアオガエルやシュレーゲルアオガエルなどとはこの部分及び背中の斑紋で判別できる。
四肢は長く、各指には痕跡的に水かきがある。指先は吸盤が発達し、あらゆる場所に登ることができるが、他のアオガエル属と比べると吸盤の幅は小さめである。

ニホンアマガエル 千葉県印西市
葉の上で休むアマガエル 千葉県印西市 2023年7月30日

分布・観察時期・生息環境

北海道、本州、四国、九州の周辺島嶼、南限は屋久島までの日本広域に分布。国外では中国東部、朝鮮半島など。
山地から海岸付近までの広い範囲の草原、市街地の緑地に生息し、繁殖期以外はあまり水に入らない。

生態

繁殖期は3〜9月の間で、地域と環境によって異なる。産卵は水田、沼、湿地や水たまりなどの止水で行われる。卵の大きさは直径1.5mm程度で、250〜800個を数回に分け、時間をかけて産卵する。卵塊はまとまった形にならず水草等に絡みつく。
気候の変化には敏感で、梅雨時になると雨に誘引されて騒がしく合唱する「雨泣き」と呼ばれる習性を持つ。

アマガエルの体色の変化

周囲の環境・状況によって体色を黄緑〜茶褐色〜灰色と様々に変化させることができるアマガエルはの皮下には黄色色素細胞、グアニン細胞、黒色色素細胞の三層から成る構造があり、これらが光の吸収・反射、気温、湿度などにより凝集、拡大することで全体の色を変化させている。これらの細胞が突然変異や、遺伝的に欠落することがあるが、黄色色素細胞を失った個体は全身が青くなり、黒色色素細胞が欠如したものはアルビノ個体になる。

参考文献

  • 内山りゅう 前田憲男 沼田研児 関慎太郎 『決定版 日本の両生爬虫類』 平凡社 2007年2月1日 初版第5刷
  • 松橋利光  奥山風太郎 『山渓ハンディ図鑑9 増補改定 日本のカエル』 山と渓谷社 2015年6月25日
  • 松橋利光  『くらべてわかる カエル』 山と渓谷社 2021年8月5日
  • 日本爬虫両生類学会 編 『新 日本両生爬虫類図鑑』 サンライズ出版 2022年1月20日 電子版第2版
  • 両生類の体色調節 分子内分泌学研究室 岡山大学大学院自然科学研究科

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