編集雑記

撮影についてのあれこれ

2015/2/25

前回は1回目ということで少し固い内容になったかも知れません。立ち上げてから1週間以上経ちましたが、いくつかの修正箇所に手を焼いているのと、これからこのサイトをどういうものにしていくかについて考えているところです。

全てに関して何も知識も技術もないところからスタートしたわけで、今でも写真撮影に関して何も知らない状態が続いています。これまでどうやって撮影していたかというと、当然生物のことを何も知らないので、まずはカメラを持って、何かがいそうなところに行ってみるという具合でした。

初めて撮影に使用したカメラはRICHOのCX4というもので、検索ではマクロ撮影(接写)に定評があるという話でしたが、期待通り昆虫や小さな花の撮影で活躍してくれました。しかしある程度撮れるものを取ってしまうと頭打ちになってしまいます。昆虫や植物は季節に縛られるので、秋からはどうしても苦しくなります。時には餌取りに夢中で警戒心の薄れたサギなども撮影しましたが、全てがそうも行かず、望遠が効かなければ小さな鳥などは手が出せなくなりました。

もう少し手を広げたいということで、次に購入したのが水中撮影が可能なカメラです。ある時まで一般人が水中で写真を取られるなんて知りもしなかったので、大変興奮して出かけたのですが、何と最初の撮影地で大破してしまうことになります(泣)。

興奮したのがいけなかったのかどうか、カメラの内部に水が浸入してしまうという不始末。きちんとロックをしたつもりではいましたが、詳しい原因は分からず、旅先で撮影旅行をあきらめるわけにもいかず、落ち込む暇もなく、次の撮影地に行くまでに購入したのがOLYMPUSのTG-620という機種です。
幸いなことに次の撮影地では水の透明度が高く、天気もよかったので詳しい撮影法など分からずとも、連射を効かせてバシャバシャ撮りまくりました。
水中では常に自分自身が波に揺られつつ、すぐに身体が浮かんでしまうという難点と、被写体の魚達も泳ぎ回っているので、シャッターチャンスを掴みづらく、連射に頼りたくなります。なので1日4000枚撮ってもマシな写真は数十枚だけということも…。今ギャラリーの方に掲載されているものがそれらになります。
しかしこれも夏限定。冬でもスキューバをやる高性能のカメラを持った通の人ならともかく、水深5mまでのカメラでスキューバ経験もない私のような素人ではそうもいきません。できれば今後、自分が潜らず冬でも水中撮影可能な体勢を整えたいものだな〜と思っています。

そして現在主に使っているカメラ。これが光学50倍、焦点距離1200mmの望遠撮影可能なCANNONのSX50HSというやつです。といっても光学とか焦点距離とか今でも何のことかさっぱりなのですが、とにかく望遠できます!

そして、素人でもすぐに逃げる小鳥が撮影できる!!

これは素直に嬉しかったです。ただでさえコンテンツが少ないですが、被写体の幅が広がり、なんとかリリースしてもいいかなという形になったのはこのカメラのおかげだと思います。

とは言ってもほとんど鳥類のスズメ目のそれもごく一部の写真集になってしまいました。今後の撮影で一つ重い課題となるのは哺乳類の撮影です。
食物連鎖上で上位になる動物はまず数が少ないということ、そして哺乳類は夜行性が多く昼間はなかなか現れません。都会に住んでいてはなかなか出会うチャンスがありません。そして出会ったとしても夜間ではカメラ一つ持っていただけではいい写真になりにくく、また大型の動物になるとフラッシュを焚いたりすると、驚かせて危険かもしれません。

しかしそれ以上に身近で最重要の課題が実はあります。
生物の図鑑を名乗っておきながら植物と菌類の写真がかなり少ないのです。
植物の撮影で難しいと感じたことは、一つには季節に縛られること。ある季節の一番いい時期に行かないと葉や花がもう萎れているということが少なくありません。また時間帯にも左右され、朝は花が開いていても昼には閉じてしまっている。私のような寝坊助にはたまったものじゃありません。
またもう一つ、これは自分自身をひどく悩ませたのですが、植物は被写体の何を写真の中心に据えて良いのか分かりづらいということがあります。
花だけを写すということがテーマであれば悩みは少ないのですが、図鑑ということになると、それがどの種なのかすぐに特定できるための部分を写しておく必要もあります。部分も重要ですし、全体として、一枚の絵として見てもらえる形にもしようということを考えると、植物は樹木も野草も非常に変化に富んだ複雑なもののように感じられます。結果何をどう撮っていいのか分からないという状態に陥ることがよくありました。
その点動物はわかりやすく、「個体」として完成された形がそこにあるので、自ずからそれが写真の中心になるわけです。しかし植物は個体が曖昧なことが多い場合や、分かりやすい場合でも密集していたり、樹木のように巨大なものは独立していても周囲と切り離して撮影するのが困難な場合があります。
では菌類の場合はというと、これに関しては植物以上に私自身何もしらないということもありますが、個体かどうかということに関しては植物以上に複雑な事情を持ちながらも、一つのまとまりとしては捉えやすい。しかし、幼菌・成菌でかなり形が変わってくることや、撮影できる時期は生育する時期にも左右されやすいということもありそうです。

こんな風にこれまでは行き当たりばったり、無計画かつ無造作に撮影してきました。しかしこれからはある程度狙いを定めて、撮るべきものの知識を持った上で出かけなくてはというところです。

そのような感じ、そのような事情でこれからの撮影には知識と技術が求められそうです。

サイト開設にあたって

2015/2/17

初めまして。守沢勇海と申します。本サイト、野生生物共有図鑑の管理・編集を行っています。本サイトは名前の通り、日本に生息する野生生物の情報を写真や記事で紹介し、共有しようということを試みています。

多くの人に取って野生生物とは一体どんなものなのでしょうか。大抵は関心を払うに値しない、忘れられた存在であることが多いのではないでしょうか。日本で暮らす大勢の人の休日は、仕事で疲れた身体を休める時間であり、自分の好奇心を満足させる趣味に没頭する時間であり、大切な人と気晴らしに遊びに出かける時間であるはずで、時間を使う対象が野生生物の「観察」であることは稀だと思います。

それもそのはずで、忙しい私達は休日の遊びといえど、仕事に活かせるような内容の濃い趣味であったり、仕事上や将来の家庭を築くためのつきあいであったり、能力や人間関係そのものを育てる行為であることは少なくありません。私達の時間の使い方は、意識的であれ無意識的であれ功利的に働いていることがあるものです。また、仮に時間を使う内容が、いたずらに一時的な欲求を満たすためだけのものであったとしても、それはその日が休日ではない人々の巧妙な戦略であったりするわけで、そうした人達の仕事によって作られた、子供から大人までを満足させる実に様々な遊び道具があふれているわけです。そんな人間の人間のための時間にとって、野生生物などは興味の外の外でよいはずです。

しかし私達が幼い頃、まだ複雑な遊び道具の使い方について詳しくなかった頃、最大の教師は親以上に野生生物であったかもしれません。その教師達のひとつひとつは木に止まっているセミやコガネムシ、川のカエルやサカナだったかも知れません。私達は虫取り網や釣り竿などで彼らをつかまえ、命を奪うことも簡単だったはずです。日本のような国では、人間は様々なルールや儀礼を発達させ、安全に長く暮らすことができるような社会を築いた代わりに、自分たちの生き死にに直面する機会は少なくなっています。そんな私達が生きものが必ず死ぬという非常にシンプルなルールを学ぶ機会を最初に与えるのは、常に身体一つで生きる野生生物だったかもしれません。

そして、虫や蛙、魚がただ弱いというだけではなく、小さい身体の中に信じられないくらい強くしなやか力が宿っていると感じることもあったのではないでしょうか。網を持たずに素手で飛んでいる蝶を捕えたり、素手で泳いでいる川魚を掴んだりするのは、とんでもなく難しいと感じた経験はないでしょうか。しかし、同じように身体一つで生きる鳥や獣はその難しいことを鮮やかにやってのけるわけです。同じ動物なのに、私達が野外でそうした鳥や獣の素晴らしい動作を直視するとき、とても敵わないと思うのではないでしょうか。私は同時に、彼らの姿を見て非常に素朴ながらも、新鮮な驚きと興奮に満ちる気がします。

そうはいっても、これまでに先に他のコンテンツをご覧になった方は気づかれていると思いますが、私には伝え手としての生物学の知識などはまるでなく、全くのゼロからこうしたものを立ち上げたわけで、サイト名に図鑑などを名乗ることもおこがましい思いです。単に野生生物の生き生きとした姿に見惚れていただけであって、まだそこから何も学んではいません。

ただ、一度立ち止まって、自分自身にもう少し彼らと向き合う時間と機会を与えてもいいのではないかと思った時、思いついたのはこういうものを作ってみようということでした。

人間の興味の外であるだけでなく、駆逐や時には消費の対象にすぎない野生生物かもしれませんが、基本的にものを持たずに、複雑で精緻な概念に支えられることなく、生身で風雪に耐え、生きる彼らをじっと観察すると、何か今まで忘れていた生命力をを思い出させてくれる気がします。植物であれば、都会の目立たない道のアスファルトの隙間からでも元気な花を咲かせているタンポポや、非常に小さくとも沢山のきれいな花を咲かせる雑草を見ると目が覚めるような思いがします。

人間も動物であり、脊椎動物と同じ身体の構造を受け継いでいる私達も、鳥や獣のような、素晴らしく俊敏でよどみない動作を行い、驚くべき持久力を発揮することができるのかもしれません。もしかすると、それをやってのける人もいるかもしれませんが、実際にそうした人を身近に見たり関わったりするのは難しいことです。しかしそれを現実に行う野生生物は、都会の中心に近い場所であっても意外によく姿を見ることができ、実にお手軽に観察できたりするのです。もしあなたが野外で野生生物を観察することで、ご自身の中に何か前向きな衝動を感じられたりすることがあったとすると、それだけでも私には貴重なことと思えます。ですので、少なくとも私に取って野生生物は非常に価値のある情報源なのです。そうした情報を多くの人と共有することができればどれほど素晴らしいでしょうか。

環境に対して強い力を持った人間が、これまでに歩んだ道がどうであったか。これからどうあるべきか。多くの情報の中で何が正しいのか正しくないのか、何が有益で何が無益なのか知識の乏しい私には検討もつかないことですので、いわゆる保全に関するテーマは本サイトでは持ちません。本サイトの目的はまず、あるものに目を向けることです。そしてご覧になった方が次に何かをするためのきっかけとなることです。そのための情報は現在非常に少なく、完成の予定もなく、伝え手としての私も浅学甚だしい身ではありますが、今後もお付き合いいただくことができれば幸いです。