オオサンショウウオ科 cryptobranchidae
本科は約2300万年前の新第三紀中新世のドイツの地層から化石が発見されており、その頃からその姿をほとんど変えていないため「生きた化石」として知られている。さらに化石証拠に基づくと、オオサンショウウオ科の起源は約1億6000万年前のジュラ紀中期にまで遡り、最初はアジアで進化し、次にヨーロッパと北米に拡大した。国内においては533万年〜258万年前の鮮新世の地層から本科に属する絶滅種とみられる化石が発見されている。
分類
- 生物図鑑
- 動物界 animalia
- 脊索動物門 chordata
- 両生綱 amphibia
- 有尾目 caudata
- オオサンショウウオ科 cryptobranchidae
オオサンショウウオ科に含まれる種
現在1種掲載
分類
現性オオサンショウウオ科はオオサンショウウオ属 Andrias とヘルベンダー属 Cryptobranchus の2属に分類され、オオサンショウウオ属には日本のオオサンショウウオ Andrias japonicus、中国のチュウゴクオオサンショウウオ Andrias davidianus が含まれ、いずれも150cmを超える世界最大級の両生類として知られる。
一方、アメリカに分布するヘルベンダー属 Cryptobranchusには、ヘルベンダー Cryptobranchus alleganiensisが含まれ、体長は最大で74cm程度である。この種は北アメリカ東部に広く分布し、独自の進化を遂げてきた。
分布と生息環境
オオサンショウウオ属の種は、日本、中国に分布しており、それぞれの地域で独自の進化を遂げてきた。日本のオオサンショウウオは、主に本州南西部や四国の山間部に生息している。彼らは冷涼な山岳地帯の河川や渓流に適応し、澄んだ水質が生息に不可欠である。特に日本では、古くから文化的にも重視され、保護活動も進められているが、生息地の破壊が大きな問題となっている。
中国のチュウゴクオオサンショウウオは、四川省をはじめとする中国中南部の山岳地帯に生息している。こちらも冷涼な水環境に依存しており、都市開発や水質汚染が深刻な脅威となっている。さらに、人工繁殖による市場取引が活発化しており、これが彼らの自然個体群に与える影響が懸念されている
ヘルベンダー属は、アメリカのアパラチア山脈周辺に分布しており、アメリカ東部の多くの河川や湖に生息している。この属は比較的小型であるものの、地域ごとの適応に成功している
生態
本科は終生水中生活を送り、環境内において食物連鎖の上位に位置する待ち伏せ型の捕食者で、口腔吸引によって対象を捕える。主な餌は水生昆虫、や甲殻類、魚類、他の両生類や爬虫類、時には哺乳類にも及ぶ。
繁殖は夏季から秋季にかけて行われるが、巣穴での雌の産卵後、雄が巣に止まり卵を保護することで知られ、数ヶ月を経た孵化後も雄が幼生を守る姿が確認されている。幼体から変態が完了するまでは5年以上かかり、さらに繁殖に参加できる成体に至るまでは十数年の歳月を要すると推測されている。飼育下では日本のオオサンショウウオ Andrias japonicus が72年生きた記録もある、概して長命な生物群である。
参考文献
- Robert Kenneth Browne "The giant salamanders (Cryptobranchidae): Part A. palaeontology, phylogeny, genetics, and morphology", ResearchGate
- Robert Kenneth Browne, Zhenghuan Wang, Sumio Okada "The giant salamanders (Cryptobranchidae): Part B. Biogeography, ecology and reproduction", ResearchGate
- 日本爬虫両生類学会 編 『新 日本両生爬虫類図鑑』 サンライズ出版 2022年1月20日 電子版第2版
- 公益財団法人広島市みどり生きもの協会 編 『広島市安佐動物公園50周年記念 オオサンショウウウオを知る 守る そして共に』 2021年9月1日
- "Cryptobranchidae", Catalogue of Life
分類
- 生物図鑑
- 動物界 animalia
- 脊索動物門 chordata
- 両生綱 amphibia
- 有尾目 caudata
- オオサンショウウオ科 cryptobranchidae