アズマヒキガエル
撮影:三重県熊野市 2024年6月7日 撮影:三重県熊野市 2024年6月7日 撮影:三重県熊野市 2024年6月7日 撮影:三重県熊野市 2024年6月7日 撮影:三重県熊野市 2024年6月29日 撮影:三重県熊野市 2024年6月29日
三重県熊野市 2024年6月7日 三重県熊野市 2024年6月7日 三重県熊野市 2024年6月7日 三重県熊野市 2024年6月7日 三重県熊野市 2024年6月29日 三重県熊野市 2024年6月29日
基礎情報 | |
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学名 | Bufo formosus |
英名 / 漢字 | Eastern-Japanese common toad / 流蟇 |
大きさ | 頭胴長:雄43〜161mm、雌53〜162mm |
分布・時期 | 本州の近畿地方から本州東北部、北海道にかけて広く分布 |
生息環境 | 海岸から高山、森林、畑、都市部の公園や庭など広範囲に生息 |
特徴・形態
頭胴長:雄43〜161mm、雌53〜162mm。温暖な地域では大型の個体が多く、寒冷地では小型化する傾向がある。体色は茶褐色、黄土色、赤褐色など様々で、赤い斑点が背中に広がる個体も多い。背中には突起や隆起があり、皮膚の粗さが特徴的。鼓膜は大きめで、ニホンヒキガエルと比較するとわずかに大きい。後肢は短く、主に歩行を行い、ジャンプは少ない。繁殖期には雄の体色が黄褐色に変化し、皮膚が滑らかになる。雄は鳴嚢を持たないが、「クックックッ」と不規則な鳴き声を出す。
眼の後ろに白い毒液(プフォトキシン)を出す耳腺を持っており、危険迫ると姿勢を低くしつつ体を膨らませ、この耳腺を強調する威嚇体勢を取る。
類似種との識別
アズマヒキガエルは、かつて亜種として扱われていたが、近年の研究により、独立した種として認められた。類似種のニホンヒキガエル Bufo japonicus との見分け方として、鼓膜が大きく、眼と鼓膜との間の距離が小さければ本種と見做せる他、体形の違いがあるものの外見での識別は難しい。また、分布域がニホンヒキガエルと重なる地域では、両者の見分けが困難なことが多い。ナガレヒキガエル Bufo torrenticola の鼓膜は小さく不明瞭なため、これが識別の手がかりとなる。

”鼓膜が眼と同様の大きさで、眼と鼓膜の間隔が狭い“
分布・観察時期・生息環境
本州の近畿地方から本州東北部、北海道にかけて広く分布する。北海道南西部の自然分布については疑いがあり、北海道西北部、佐渡島、伊豆大島、三宅島などには人為的に移入されている。生息環境は海岸から高山、森林、畑、都市部の公園や庭など広範囲に及ぶ。
生態
主にミミズや昆虫を食べ、捕食時には長い舌を使って瞬時に獲物を捕らえる。繁殖期は2月から7月にかけて行われ、地域により繁殖の時期に違いがある。1回の産卵で1,500〜8,000個の卵を産み、ひも状の卵塊を水中に産む。オタマジャクシは1〜3ヶ月で変態し上陸するが、寒冷地ではより長い期間を要することがある。繁殖期には雄が多数集まり、メスを巡って争う「蛙合戦」が見られる。
人との関わり
古くから「がま」や「ひきがえる」として親しまれており、各地の伝承や民話にも登場する。都市部でも見られ、身近な存在として認識されている。北海道や伊豆大島などには人為的に移入された個体が定着している。
参考文献
- 内山りゅう 前田憲男 沼田研児 関慎太郎 『決定版 日本の両生爬虫類』 平凡社 2007年2月1日 初版第5刷
- 松橋利光 奥山風太郎 『山渓ハンディ図鑑9 増補改定 日本のカエル』 山と渓谷社 2015年6月25日
- 松橋利光 『くらべてわかる カエル』 山と渓谷社 2021年8月5日
- 日本爬虫両生類学会 編 『新 日本両生爬虫類図鑑』 サンライズ出版 2022年1月20日 電子版第2版
- 関 慎太郎 著 松井 正文 監修 『野外観察のための 日本産 両生類図鑑 第3版』 緑書房 2021年2月1日第3版